短歌
2012年4月
慣れていくことが肝心 感覚が麻痺してうまく笑えるくらい
「出会いから二ヶ月だから」とりあえず安い指輪に明日を誓うわ(Twitter企画・fake75)
「あれとそれ、あとこれも嘘」と言われて驚く私も本当は嘘(Twitter企画・fake75)
お願いよ嘘でいいって言ったでしょ「好き」って言ってよ泣かさないでよ(Twitter企画・fake75)
恋じゃない、恋じゃないよと言い続け恋になりそこなった僕たち(Twitter企画・fake75)
溜めすぎて爆発したら嫌なので今から好きを小出しにします
なんとなく聴こえた声で全身が潰れることもありえなくない
汗が出て震えて喉が渇くとき飲み込む唾がスタートの音
プライドがせき止めている春の風逃げたい逃げたい嫌だ逃げたい
人間は思い思いに恋に落ち重い想いに折れる生き物
5メートル先を横切る白い衿 揺れるのは白つつじの葉っぱ
噛みちぎるほどに近くで寄り添えた二人だったと言いたくなった
世の中のすべての出会いに意味があるなどと供述しているようで
ぶつかって砕けるつもりで爆走しぶつかる壁がなくて転落
好きだって明確にした温い春 桜と君と僕とが染まる(Twitter企画・花詠み75)
花なんて咲かずに散ればいいのにね初恋みたいに私みたいに(Twitter企画・花詠み75)
桜咲く頃に生まれたあなたへと伝える言葉おめでとありがと(Twitter企画・花詠み75)
わかってるけどとりあえずあの時のあの発言にうぬぼれておく
今日がもう終わっていった つまりまた会えないままに寝るってことだ
テキーラをサラダボウルに注いだらやさしいゆめに溺れられるね(Twitter企画・溺詩)
偶然を願っています極上の幸せとかじゃなくていいので
偶然の奇跡を掴め 右足と左足とで探しに行けよ
ネクタイの曲がり具合で恋人がいるかいないかわかる系女子
ブレザーの制服姿 AUのケータイを持つ君の名前は(Twitter企画・歌詠み75「制服姿」)
3月の制服姿 見納めは右目の端で言葉も無しに(Twitter企画・歌詠み75「制服姿」)
向き合って立った私の目の前にのどぼとけがあるのどぼとけがある
前髪の決まり具合に落ち込んだ君のうなじが大事なんです
しあわせをおすそ分けする優しさは私を体育座りにさせる
なんとなく始まり終わった恋だから12月には忘れていたい
嫌われず過ごしていたい だからもう会わない 好かれなくってもいい
あの人の背中が語ることなんてなにもないから背中に語る
鶏肉になる あの人が大口でかぶりつくなら 肉になるなら
あてのない誰ともしてない約束に待たされている4月の小雨
君がもしこのオオイヌノフグリなら見つからないと泣かずに済んだ
前髪を逆立てていく風だった 遠くへ行ってしまったみたい
特別なことなんてない ただ一度すれ違うとき息を吸ってた
死にたいと言い出すまでの言い訳が詩みたいだった深夜のリズム
材料も手順も合っていたはずのパイが爆発したような恋
君のこと考えるほど君のこと知らないなあと考える日々
ネクタイが曲がっているね あの人と何かあったの聞いてもいいの(Twitter企画・ネクタイ和歌)
Copyright(C)201x your neme All rights reserved. designed by flower&clover